条件付き書式の設定とは
条件付き書式の設定とはエクセルに備わっている書式の機能となります。
通常は書式設定で書式を指定しますが、ここでご紹介するのは 条件付き なので、例えば「土曜日は自動的に青字、日・祝日は赤字」「重複したデータを赤字」など指定した条件に基づき書式を設定する方法です。
会議資料の作成やデータ入力など、使用頻度が高い機能なので、是非この機会にマスターしましょう!
この条件付き書式は関数と組み合わせて応用的に使用することも可能ですが、まずは基本をしっかり理解しておくために、ここでは条件付き書式の基本の動きをご紹介します。
練習用エクセルファイルを用意したので、必要な方は下記よりダウンロードしてくださいね。
セルの値に条件付き書式を設定する
セルの値やセルに条件付き書式を設定する方法を順番にご紹介します。
大きく「セルの強調表示ルール」と「上位/下位」ルールに分かれますが、基本的な操作は同じです。
指定の値より 大きい/小さい
練習用ファイルを使用して、D列の利用金額に条件付き書式を設定してみましょう。
「指定の値より大きい」場合
D2セルから最終行までを選択した状態(ショートカットキー: Ctrl + Shift + ↓ )で、リボンメニューの【ホーム】タブ中央あたりにある「条件付き書式」のアイコンをクリックし「セルの強調表示ルール」→ 「指定の値より大きい」をクリックします。

「指定の値より大きい」というダイアログボックスが出るので、「指定の値」を入力します。
ここでは「70000」と入力してみました。
70000より大きい値の場合は、どのような書式にするかプルダウンから選択します。
ここでは「濃い赤の文字、明るい赤の背景」を選択してみましょう。
最後にOKをクリックしましょう。

D列の値に70,000より大きいセルに書式が設定されました。

「指定の値より小さい」場合
小さい場合も基本的には同じです。
D2セルから最終行までを選択した状態(ショートカットキー: Ctrl + Shift + ↓ )で、リボンメニューの【ホーム】タブ中央あたりにある「条件付き書式」のアイコンをクリックし「セルの強調表示ルール」→ 「指定の値より小さい」をクリックします。

「指定の値より小さい」というダイアログボックスが出るので、「指定の値」を入力します。
ここでは「50000」より小さい値に「濃い緑の文字、明るい緑の背景」を設定してみました。

D列の値に50,000より小さいセルに書式が追加設定されました。


大きい場合も小さい場合も、プルダウンにない書式を設定したい場合
プルダウンの一番下にある「ユーザー設定の書式」をクリックすると
セルの書式設定が開いて、より細かな設定が可能です
指定の範囲内
指定の範囲内の場合も基本的には同じです。
D2セルから最終行までを選択した状態(ショートカットキー: Ctrl + Shift + ↓ )で、リボンメニューの【ホーム】タブ中央あたりにある「条件付き書式」のアイコンをクリックし「セルの強調表示ルール」→ 「指定の範囲内」をクリックします。

「指定の範囲内」というダイアログボックスが出るので、「指定の範囲」を入力します。
ここでは「50000」と「75000」に範囲に「濃い緑黄色の文字、明るい黄色の背景」を設定してみました。

D列の「50,000」~「75,000」の間の値に書式が設定されました。

指定の値に等しい
指定の値に等しい場合も基本的には同じです。
D2セルから最終行までを選択した状態(ショートカットキー: Ctrl + Shift + ↓ )で、リボンメニューの【ホーム】タブ中央あたりにある「条件付き書式」のアイコンをクリックし「セルの強調表示ルール」→ 「指定に等しい」をクリックします。

「指定の値に等しい」というダイアログボックスが出るので、「指定の値」を入力します。
ここでは「70000」に等しい値に「明るい赤の背景」を設定してみました。

D列の「70,000」と等しい値に書式が設定されました。

文字列
文字列の場合はこれまでと少し違い「指定した文字列を含むセル」に書式設定をします。
文字列なのでB列・名前の列を使って設定してみましょう。
B2セルから最終行までを選択した状態(ショートカットキー: Ctrl + Shift + ↓ )で、リボンメニューの【ホーム】タブ中央あたりにある「条件付き書式」のアイコンをクリックし「セルの強調表示ルール」→ 「文字列」をクリックします。

「文字列」というダイアログボックスが出るので、「次の文字列を含むセルを書式設定」に文字列を入力します。ここでは「藤」を含むセルに「濃い赤の文字、明るい赤の背景」を設定してみました。

B列の文字列の中で「藤」を含むセルに書式が設定されました。

日付
日付も文字列の時と同じように、該当する列に書式を設定するので、日付が入っているA列を選択します。
A2セルから最終行までを選択した状態(ショートカットキー: Ctrl + Shift + ↓ )で、リボンメニューの【ホーム】タブ中央あたりにある「条件付き書式」のアイコンをクリックし「セルの強調表示ルール」→ 「日付」をクリックします。

「日付」というダイアログボックスが出るので、「次の期間内の日付を含むセルを書式設定」からプルダウン設定したい範囲を選びます。
ここでは「先週」を含むセルに「濃い赤の文字、明るい赤の背景」を設定してみました。

A列の日付の中で「先週」を含むセルに書式が設定されました。


ここではプルダウンの中から選ぶ方法ですが
数式を使用して書式を設定することで詳細な日付設定も可能です。
数式を使用して書式を設定する方法は応用編でご紹介します(準備中)
重複する値
重複する値も、基本的にこれまでの設定方法と同じです。
全ての列で設定可能ですが、ここではB列の「名前」に設定していきたいと思います。
B2セルから最終行までを選択した状態(ショートカットキー: Ctrl + Shift + ↓ )で、リボンメニューの【ホーム】タブ中央あたりにある「条件付き書式」のアイコンをクリックし「セルの強調表示ルール」→ 「重複する値」をクリックします。

「重複する値」というダイアログボックスが出るので、ここでは「次の値を含むセルを書式設定」にし「濃い赤の文字、明るい赤の背景」を設定しました。

重複する値があれば、設定した書式が反映されます。

今回は名前列に設定しましたが、名前だと重複値は発生する可能性が高いものなので、本来は「メールアドレス」や「ID」「商品コード」など一意の値(ユニークな値)しかない列で設定しましょう。


書式を設定する際に「重複」ではなく「一意」を選択すると
逆に一意の値(重複しないユニークな値)に書式設定が可能です
上位○項目/下位○項目
上位/下位についても基本的に同じです。
ここではD列の利用金額に書式を設定していくので、D2セルから最終行までを選択した状態(ショートカットキー: Ctrl + Shift + ↓ )で、リボンメニューの【ホーム】タブ中央あたりにある「条件付き書式」のアイコンをクリックし「上位/下位ルール」→ 「上位10項目」をクリックします。

「上位10項目」というダイアログボックスが出るので、ここでは「上位に入るセルを書式設定」の上位○項目かを選択します。
ここでは「上位5項目」に「濃い赤の文字、明るい赤の背景」を設定しました。

上位5項目までに書式が設定されました。


下位も同じ要領なので、上位/下位ルールの後に
下位10項目を選んで1~10何位までかを指定してくださいね
上位○%/下位○%
上位○%/下位○%についても基本的に同じです。
ここではD列の利用金額に書式を設定していきますが、今度は「下位」にせってしてみましょう。
D2セルから最終行までを選択した状態(ショートカットキー: Ctrl + Shift + ↓ )で、リボンメニューの【ホーム】タブ中央あたりにある「条件付き書式」のアイコンをクリックし「上位/下位ルール」→ 「下位10%」をクリックします。

「下位10%」というダイアログボックスが出るので、ここでは「下位に入るセルを書式設定」の下位○項%かを選択します。
ここでは「下位10%」に「濃い赤の文字、明るい赤の背景」を設定しました。

下位10%までに書式が設定されました。


上位も同じ要領なので、上位/下位ルールの後で
上位10%を選んで何%にするか選択してくださいね
平均より上/下
平均より上/下についても基本的に同じです。
D列の利用金額に書式を設定していくので、D2セルから最終行までを選択した状態(ショートカットキー: Ctrl + Shift + ↓ )で、リボンメニューの【ホーム】タブ中央あたりにある「条件付き書式」のアイコンをクリックし「上位/下位ルール」→ 「平均より上」をクリックします。

「平均より上」というダイアログボックスが出るので書式を選択します。
ここでは「濃い緑の文字、明るい緑の背景」を設定しました。

平均より上に書式が設定されました。


平均より下も同じ要領なので、上位/下位ルールの後で
平均より下を選んで書式設定をしてくださいね
セルに条件付き書式を設定する
セルの値に応じてセル内にデータバーでグラフの様に見せたり、色の濃淡で書式を設定してくれます。
3種類ありますので、順番に見ていきましょう。
データ バー
セルの値に応じて、セル内にグラフの様にデータバーを表示してくれます。
D列の金額に書式を設定してみましょう。
D2セルから最終行までを選択した状態(ショートカットキー: Ctrl + Shift + ↓ )で、リボンメニューの【ホーム】タブ中央あたりにある「条件付き書式」のアイコンをクリックし「データバー」にマウスを合わせると「塗りつぶし(グラデーション)」と「塗りつぶし(単色)」が選択できるようになります。
この中から使いたいものをクリックしてみましょう。
使いたい色がなければ、一番下の「その他のルール」から他の色を選ぶことも可能です。

ここでは「塗りつぶし(グラデーション)」の真ん中の緑を選択してみます。

金額のセルにグラフの様にデータバーが表示されました。

この時、選択した中から一番大きい数字をMAXとしてデータバーが表示されます
カラー スケール
セルの値に応じて、セル内にカラースケールを表示してくれます。
D列の金額に書式を設定してみましょう。
D2セルから最終行までを選択した状態(ショートカットキー: Ctrl + Shift + ↓ )で、リボンメニューの【ホーム】タブ中央あたりにある「条件付き書式」のアイコンをクリックし「カラースケール」にマウスを合わせるとカラースケールが選択できるようになります。
この中から使いたいものをクリックしてみましょう。
使いたい色がなければ、一番下の「その他のルール」から他の色を選ぶことも可能です。

ここでは分かりやすく一番下の一番左にある緑と白のカラースケールを選択します。

金額のセルに緑と白のカラースケールが設定されました。

金額の低いものがより白に近く、金額が大きくなるにつれて緑が濃くなっています。
アイコンセット
アイコンセットはセルの値に応じて、指定したアイコンを値の最初に自動で付与してくれます。
ただ、アイコンセットは、これまでと少しだけ違い、ただマウスで選んでデフォルト設定で使用すると、思っていた通りに表示されないことがほとんどです。
まず最初に、これまで通りマウスで選んでいって、デフォルトの設定でアイコンセットを設定してみます。
D列の金額に書式を設定してみましょう。
D2セルから最終行までを選択した状態(ショートカットキー: Ctrl + Shift + ↓ )で、リボンメニューの【ホーム】タブ中央あたりにある「条件付き書式」のアイコンをクリックし「アイコンセット」にマウスを合わせるとアイコンセットが選択できるようになります。
この中から使いたいものをクリックしてみましょう。
使いたいものがなければ、一番下の「その他のルール」から他の色を選ぶことも可能です。

ここでは「方向」の矢印左の一番上を選択してみます。

金額のセルに緑と白のカラースケールが設定されました。
ですが、どいう基準で矢印が付いているのか疑問ですよね。
実は、ただ普通に設定しただけだとアイコンは下記ルールに基づいて表示されます。
67%~100% 「↑」
33%~66%「→」
0~32%未満「↓」
そのため、本来なら前月や前年度と比較たり、目標金額を基準として、目標達成か否かで矢印を表示したくても、思った通りに矢印が表示されないというケースが起こります。
基本的にアイコンセットを思った通りに使用するためには、「条件付き書式」のアイコンをクリックし「アイコンセット」と進んだ後は一番したの「その他のルール」から自分でルールを作る必要があります。
では、正しく表示させる方法を一緒にやってみましょう。
D2セルから最終行までを選択した状態(ショートカットキー: Ctrl + Shift + ↓ )で、リボンメニューの【ホーム】タブ中央あたりにある「条件付き書式」のアイコンをクリックし「アイコンセット」にマウスを合わせ、一番下の「その他のルール」を選択します。

「新しい書式ルール」というダイアログボックスが出てくるので、下の「ルールの内容を編集してください」のブロック内にある「アイコンスタイル」から先ほどと同じく3色の矢印を選択してます。

次に少し下の「次のルールに従って各アイコンを表示」で、各アイコンのルールを指定します。
ここでは「0~50,000未満」を赤の↓、「50,000~70,000未満」を黄色の → 、70,000以上を緑の↑ というルールを設定しました。

金額のセルに指定したルールに基づいたアイコンが表示されました。


ルールは数値や数式など、自由度が高く設定できるので便利ですね
条件付き書式の編集
一度設定した書式を編集したい場合に使用します。
条件付き書式を編集したい範囲を選択して「条件付き書式」のアイコンをクリックし「ルールの管理」をクリックします。

「条件付き書式ルールの管理」というダイアログボックスが出るので、編集したいルールを選んで「ルールの編集」をクリックし「OK」と進むか、編集したいルールをダブルクリックすれば編集画面が開くので編集してあげましょう。

条件付き書式のクリア
条件付き書式のクリア方法についてご紹介します。
クリアには「選択したセルからクリア」「シート全体からクリア」「テーブルからクリア」「ピボットテーブルからクリア」の4種類ありますが、基本的にはクリアしたいものを選ぶだけなので、代表して「選択したセルからクリア」を一緒にやってみましょう。
条件付き書式を設定した範囲を選択して「条件付き書式」のアイコンをクリックし「ルールのクリア」→「選択したセルからルールをクリア」をクリックすればOKです。
この時、書式設定した列全体を選択で問題ありません。

選択した範囲からルールが削除されました。

今回の様に、条件付き書式設定の範囲が1つの場合は、シート全体からクリアの方が早いですが、複数の場所に条件付き書式が設定されていて、一部だけクリアしたい場合は、クリアしたいものを選択して部分的にクリアするようにしましょう。
まとめ
条件付き書式設定の基本をご紹介しました。
この基本をベースに、数式を使ってさらに自由度の高い書式設定も可能となりますので、まずは基本の使い方をしっかりマスターしましょう。
動画でもご紹介していますので、実際の動きを見たいという方は下記からご覧くださいね。

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