エクセルのエラー原因と解消方法
エクセルで関数を組んだり計算式を入れている際にエラーが出るこがあります。
エクセルにエラーはある意味つきもののような物なので、エラーが出る原因と解消法を理解していれば、そんなに問題でもないです。
ただ、今出ているエラーがどういう意味なのかが分からないと、解消方法が分からなくて最初からやり直してみたり、あちこち検索して調べたり凄く時間がかかってしまうことがあります。
そういうことがないように、エラーで表示されている記号のような物がどういう意味で何が問題なのか、解消するにはどうすれば良いか具体例をあげながらご紹介していきたいと思います。
エクセル エラー値 一覧表
上記が2024年8月現在、エクセル関数を使用した際に出るエラーの一覧になります。
ひとつずつ発生原因と解消方法をご紹介していきたいと思います。
#VALUE! エラー
入力した数式に誤りがあるか参照先のセルに問題があると、「#VALUE! 」エラーが出ます。
原因
それぞれ F2 キーを押して数式とエラーの原因を確認してみましょう。
- D4セルの場合
数式を見ると単価×数量の「=B4*C4」となるところが、よく見ると数量列を指定する「C4」にダブルクォテーションが付いています(数式に誤りがある)。これでは「C4セル」ではなく「文字列のC4」という意味になり計算ができずエラーになっています。
ダブルクォテーションが付くとExcelは文字列として認識します
- D7セルの場合
数式を見ると単価×数量で問題なさそうです。下の画像では数量がブランク表記になっていますが、同じブランク表記になっているD6セルはエラーになっていません。こういう場合は他に必ず原因があります。
数式は単価×数量でしたが、単価は数値が入っていることが確認できるので、数量のC7セル F2 キーを押して確認してみると、空白セルに見えていたC7セルが実は空白ではなく「半角スペース」が入っていた(参照先セルに問題がある)ことが分かります。
ウッカリ手が当たったなどの理由で、このようなケースが稀にあります。
解消方法
原因が分かれば解消方法は簡単に見つけることができますね!
- D4セルの場合
単価×数量の「=B4*“C4“」となっていることが原因なので、ダブルクォテーションを取ってあげるか、上の数式を Ctrl + D でコピーすればエラー解消です!
- D7セルの場合
数量の入るC7セルに半角スペースが入っていることが原因なので、半角スペースを削除してあげればエラー解消です!
#DIV/0! エラー
D列「金額 ÷ 数量」として単価を算出していますが、「#DIV/0!」エラーが出ています。
原因
割り算の数式を入れた際に数値が「0」または「空白セル」だった場合に、エラー値「#DIV/0!」が返されます。
解消方法
数式が「金額÷数量」であるのに対し、数値が「0」または「空白セル」であることが原因なので数量欄に「1」以上の数値を入れてあげることで解消します。
ただ、入力間違い等ではなく正しい数値が「0」だった場合は解消できません。
その場合はIFERROR関数を一緒に組んであげることで解消します。
#REF! エラー
数式で参照していたセルが、削除などの理由で参照できなくなった場合に、エラー値「#REF! 」が返ってきます。
原因
上記の左画像ではD列に消費税列が入っています。E列には「単価と消費税の合計」としてSUM関数が入っています。右の画像では消費税の入っているSUM関数の引数になっているD列が削除されてしまい参照できなくなったことが原因でエラーになっています。
解消方法
関数で引数に指定されている列を削除したことがエラーの原因なので、削除する必要がある場合は先に数式の入っている列をコピーして値貼付で値に置き換えてから対象列を削除するとエラーは回避できます。
もしすでに削除してしまって Ctrl + Z でも戻れない場合は、一番上のセルだけ数式を修正してオートフィルで下まで反映させましょう。
#NAME? エラー
関数のスペルを間違えたときに、エラー値「#NAME?」が返ってきます。
原因
F2 キーを押して、もう少し詳しく原因を見てみましょう。
SUM関数のスペルが「SAM」になっているためにエラーが出ています。
解消方法
関数のスペルミスなので、正しいスペルに修正してあげるとエラーは解消します。
#N/A エラー
参照する値がない場合や、参照先にデータがない場合に、エラー値「#N/A」が返ってきます。VLOOKUP関数やXLOOKUP関数を使用している際に出ることが多いエラーになります。
原因
ひとことで参照先にデータがないと言っても、そもそも検索値が参照先にない場合と、関数を組む際に参照先を絶対参照にしていないため、参照先がずれてしまった結果エラーとなってしまう場合があります。
解消方法
- 参照先にデータがない場合
参照先に追加漏れなど、本来あるべきものであれば、参照先データ一覧に対象データを追加してあげればエラーは解消します。
追加漏れでなく、参照先データ一覧に対象データがなくて正解の場合は、そのままエラーとして表示したくない場合、IFERROR関数もしくはIFNA関数と一緒に組むことで解消します。
IFNA関数の記事は準備中ですが、動画でご紹介しています。
詳しく知りたいよという方は、下記の動画をご覧くださいね。
- 絶対参照になっていないため参照先がずれてしまった場合
一番上のセルに入っている数式の第2引数である参照先を絶対参照に修正してから、一番下までオートフィルで数式を反映しなおしてあげるとエラーは解消します。
絶対参照については下記動画でもご紹介しています
#NULL! エラー
半角空白で空けた参照演算子の共通部分がない場合にエラー値「#NULL!」が返ってきます。
原因
参照演算子の共通部分がない場合というと難しく聞こえますが、簡単に言うと範囲参照したものを繋ぐ際に , を入力するところを誤って半角スペースにしてしまった場合エラー値「#NULL!」が返ってきます。
F2 キーを押して、もう少し詳しく原因を見てみましょう。
上の画像では、各商品の1ピースの金額と1枚の金額を合計していますが、数式内のB列とD列を繋ぐ , が半角スペースになっているのでエラーになっています。
解消方法
数式内のB列とD列を繋ぐ , が半角スペースになっていることが原因なので、半角スペースを , に修正するとエラーは解消されます。
#NUM! エラー
関数の引数に誤りがある場合や、Excelが処理できる数値を超えてしまい、正当な結果が得られない場合にエラー値「#NUM!」が返ってきます。それぞれのケースを順番に見てみましょう。
原因
- 関数の引数に誤りがある場合
左上の画像ではSMALL関数を使用した際に「#NUM!」エラーが出てしまいました。
F2 キーを押して関数を確認してみましょう。
A列の一覧は3行目から7行目までの合計5つのデータしかありませんが、SMALL関数の第二引数では6番目を指定しています。6番目は存在しないためエラーになっています。
- Excelが処理できる数値を超えてしまった場合
Excelには処理できる数値に限界があるのですが、その限界を超えてしまうとエラーになってしまいます。
10の308乗まではExcelは処理できるのですが、10の309乗は限界を超えてしまうためエラーが出ています。
解消方法
- 関数の引数に誤りがある場合
正しい引数を指定してあげるとエラーは解消します。
今回は5つしかデータがないところ、引数で6番目を指定したためにエラーになったので、引数を5から6に修正してあげましょう。
SMALL関数の記事は準備中です。
動画でご紹介していますので、詳しく知りたい方は動画をご覧くださいね
- Excelが処理できる数値を超えてしまった場合
Excelが処理できる範囲の数値に修正してあげると解消しますが、その対応が難しい場合はIFERROR関数を一緒に組んであげることで解消します。※IFERROR関数の動画を見る
#スピル! エラー
スピルで計算結果を表示する範囲であるスピル領域に既にデータが入力されているため、スピル計算結果が表示できない場合にエラー値「#スピル!」が返ってきます。
原因
F2 キーを押して関数を確認して、もう少し詳しく原因を見てみましょう。
D2セルには「=A2:B7」と入っていて、スピル機能が働いていますがE5セルに「aaa」と文字列が入っていて空白セルになっていないため、D2セルのスピルが展開できないためエラーになっています。
解消方法
スピル領域にデータが入っていて、スピル計算結果が表示できないためエラーになっているので、スピル領域にあるデータを削除してあげるとエラーは解消します。
スピル機能の記事は準備中です。
動画でご紹介していますので、詳しく知りたい方は下記動画をご覧くださいね
#CALC! エラー
配列数式結果が空(ゼロ)の場合に、エラー値「#CALC!」が返ってきます。
原因
F2 キーを押して関数を確認してみましょう。
ここではFILATER関数をで商品名「リンゴ」を検索した結果「#CALC!」エラーが出ています。
F1セルに検索したい商品名を入力し、その商品名でフィルターをかける引数になっています。
よく見るとF1セルには「リンゴ」とカタカナで入力されていますが、実際のデータは「りんご」とひらがな表記になっています。そのためFILTER結果は空(ゼロ)となり「#CALC!」エラーが返ってきました。
解消方法
今回は、本来ひらがな表記のところがカタカナ表記だったためエラーになったので、正しい表記に修正してあげればエラーは解消します。ただ、表記の問題ではなく、そもそも元のデータに該当データがない場合は、IFERROR関数を一緒に組んであげることで解消します。※IFERROR関数の動画を見る
FILTER関数の記事は準備中です。
動画でご紹介していますので、詳しく知りたい方は下記動画をご覧くださいね
まとめ
エクセルを使用しているとエラーはつきものですが、出ているエラーの原因と解消方法を知らないと「壊してしまったんじゃないか」とヒヤッとしてしまいますよね。
それぞれのエラーの原因と解消方法を知っておくと、エラーが出ても落ち着いて対応できますね!
動画でもご紹介していますので、ぜひ動画も確認しながらマスターして下さい。
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